モチベーション理論

〈アージリスの未成熟―成熟理論〉

この理論の前提→「人間は自己実現を目指して未成熟な状態から成熟した状態へと成長・発展する生き物であり、それぞれが行動を起こすための心のエネルギーをもともともっている」
報酬のようなもので人為的に向上させようとするのではなく、人がもともと持っている心のエネルギーを認識させそれを正しく使うことで効率よくモチベーションを向上させることができる

組織における、人が未成熟の状態から成熟した状態へと成長することによっておこる7つの人格の変化
・受動的→能動的
・依存→独立
・単純な行動→多様な行動
・浅い興味→深い興味
・短期的な展望→長期的な展望
・従属的→対等、優越
・自己認識の欠如→自己統制

テイラーの科学的管理法のような統制された組織では報酬のみが重視され無気力な状態に陥り、このような成長は見られず成熟した人間を育てるのは困難である
ほかの理論と同様、周囲の環境がモチベーションを向上させるカギとなる

〈コンピテンシー理論〉

コンピテンシーを2つに分けると、
・潜在能力(動機、価値観、使命感など)
・顕在能力(知識、態度、技能など)        がある

「能力=できる」という顕在能力や結果に焦点を当てるのではなく「特性=している」という潜在能力や過程に焦点を当て、日常の行動を評価することで将来の成果へと結びつきやすくする

〈アンダーマイニング効果〉

行動の対価が内発的動機(やりがい)から外発的動機(報酬)に変化すると、無意識にモチベーションが下がってしまうという効果。抑制効果ともいう
報酬以外にも、懲罰や監視、締め切りの設定が生じると起こってしまうこともある
対策として、期待や賞賛といった言葉による報酬を与えることが挙げられる。

エンハンシング効果・・・信頼している人に対して期待や賞賛を求め、内発的動機を高めることによって起こる効果(子供が親に褒められたくて手伝いをするなど)